市街化調整区域

市街化調整区域に産廃処理施設は建設可能か?

産廃処理施設を建てたい、建てようと検討してるけど、「市街化調整区域」というエリアらしい、ということは、つまり建てれないということなのか?という質問をたびたびお聞きします。

結論から言えば、

「可能性は充分あります」とお答えします。

そもそも、「市街化調整区域」というのは何なのでしょうか。

都計法の条文を書けば、「市街化を抑制すべき区域」となります。

つまり、「調整」=「抑制」という意味のようです。

そしてこの逆が、「市街化区域」であり、「優先的かつ計画的に市街化を進める区域、もしくは既に市街地を形成している区域」です。

また、この2つのどちらにも属していない区域として「非線引き区域」があります。

それらをトータルして、都市計画区域と呼びます。

さらに市街化調整区域とは「開発行為は原則として抑制され、都市施設の整備も原則として行われない」とあります。

つまり、市街化調整区域ならば、産廃処理施設であれ何であれ、原則として建設できないのだ、と考えるのが普通です。

「原則として」建設できない訳ですが、では、「特別に許可できる」場合とはどういうケースなのでしょうか。

下に、大阪府下のある市町村の、「誘導基準」なるものを添付しておきます。

「誘導基準」


一読頂ければわかると思いますが、市街化調整区域における開発行為等についての許可が可能と書いてあります。

その結果として、工場や産業施設の建築や増築が可能と書かれています。

開発許可そのものについてはまた別ページで書きたいと思います。

簡単に言えば、都計法の中の一つの許可手続きです。

しかし、市街化調整区域内にて産廃処理施設を建設しようとするなら、ほぼ間違いなくこの開発許可の取得が発生します。

逆の言い方をすれば、開発許可を取得することで都計法上の許可(行政処理)が可能となります。

建基法51条但し書き許可のところでも触れましたが、51条但し書き許可はあくまで、建築基準法上の整理です。

これに都計法上の整理も可能となるならば建設可能です。

添付した資料は、たまたま「誘導基準」を設けてある市町村の一例です。

設けた背景としては、雇用促進などその地域の課題を解決するために、施設設置を誘導しましょう、という考えです。

これは私の一建築士としての意見になりますが、産廃処理施設というのは、市街化区域に強引に建てるのは望ましくなく、本来は市街化調整区域に立地するほうが望ましいと考えています。

しかし、現状の法体系では、市街化を抑制すべき区域という単純な理由で、施設の立地が難しくなっています。

ですが、このある市町村のように「誘導基準」等を定めて、産業施設が立地できるよう基準を定めている自治体がかなりあるのです。

市街化調整区域という事で、建てれないだろうと漠然と判断するのではなく、地元市町村の定めている様々な条例や誘導基準をよく精査してみれば、突破口が開けるケースがかなりあります。



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